みなさま、こんにちは
本日は、かなりお熱うゴザイマスな
休日だけどブログ更新、ハイドロ部長の「HARA」でございます。
さてさて、話題の「C5X」がサイト等でチラホラと・・・・
久々の大型サルーン登場で、私の得意ジャンル発売に気合が
入っております。。。。。
その昔、Citroën=ハイドロサスペンション=乗り心地 このような
絶対的イメージがCitroënでした。
我々、旧ザクタイプのベテラン営業マンも上記を誇りに販売しておりました
残念ながら、ハイドロサスペンションは、そのコスト高と大きなシステムの
為、搭載できる車種が限定的になるので、生産されておりません。
その代わりとなる物が、C5エアクロスから搭載された「プログレッシブ・
ハイドロー・リックサスペンション」と呼ばれるサスペンションダンパーです。
今度のC5Xには、更にサスペンションに大きな上下動が加わると動きを抑制する
大型OILストッパーが搭載されます。
どのような動きになるか分かりませんが、高速走行時に威力を発揮する装置かと
思われます。
さて、この次世代サスペンションダンパー(ハイドリックサスと呼称します)
皆様からのご質問で「ハイドロみたいな乗り心地なの?」と期待に満ちた目で
質問頂きます。
私としては、プロ意識があるものでして、梯子を外すようで恐縮なのですが
「違います」とお答えしております。
カタログや、WEB等で「魔法の絨毯」などと謳っておりますが、曖昧なイメージを
ユーザー様に伝えているのも原因かと思います。
まして、誰も魔法の絨毯なんて乗ったことが無いハズなので・・・・
元来、ハイドロサスとハイドリックサスでは、その構造と思想がまったく異なります。
ハイドロサスは、もう存在しないのてご案内はしませんが、制御構造が違いすぎて
「似る、似ない」では無く、まったく異なる物となります。
ハイドリックサスが、ダメなのかと言えば全くそんなことは無く、世界に現存する
スプリングサスペンションの中では世界最高峰のサスペンションだと言い切れます。
このブログをご覧頂いてる、ベテランユーザー様ならご理解頂けると思いますが
フランス車のかつての名車「プジョー306」「シトロエン ZX」などの
本当に良き時代の名車を乗った方々なら分かると思いますが、ハイドリックサスは
あの時代のサスペンションを彷彿させます。
ハイドリックサスを何かと競合するなら、ハイドロサスでは無く、メカニカルサスと
比較するのが妥当だし、質問そのものが正しくなりますね。
このハイドリックサスの構造は複雑で、サスペンションダンパー内部にもう一つ
サスペンションダンパーが内装されているイメージです。
「なんだソレ?」と思われますが、この構造は30年前以前に存在するシステムなんです。
もともとは、ラリーレースカーに採用されておりました(ZXラリーレイドにも採用)
ご存知のようにラリーとは、とんでもない凹凸不整地を時速200㎞近いスピードで
走り抜けます。
従来のサスペンションダンパーでは、ダンパー内部のOILが激しい上下動に
追従できなくなり、ダンパー内部のOILに気泡が発生してしまい
まともに走れなくなる現象が多発、これを解消するために開発されたのが「カートリッジ式
サスペンションダンパー」でした(ハイドリックサスの元祖)
あとのサーキットに使用されるレースカーも挙って、このサスペンションを採用します。
余談ですが、ラリーカーや不整地を走行する競技車輛は、皆さまの考えと全く逆で
驚くほど乗り心地が良いんですよ。
目の前に迫る大きな凹凸を乗り越えても、「あれ?」と思うほどの上下動しか感じません。
ホントに昔のフランス車を乗ってる感じと同じでしたね。
話しはそれたけども、昔からあるシステムを大幅に改良して作り上げたのがハイドリックサスです。
我々プロから見ると、「よくやるなぁ」と感心するシステムで、シトロエンから依頼された
サスペンションメーカーは大変だっただろうなと想像がつきます。
今度C5Xに搭載される新型ハイドリックサスは驚異的だと予想されます。
理由は、車体のホイールベースが長大です。
元来シトロエンの大得意とする設計部分なので、狙い通りに作れるはずです。
C5エアクロスの車体であれだけの乗り味を演出できたので、C5Xの車体長なら
さらに磨きが掛りますね。
さて、話は長くなりましたが新型サスペンションの性格が少しご理解頂けたかと思います。
車の乗り味は、このサスペンションで方向性が決まります。