ブログ、今月の最終バージョンですたい
車好きの間でシトロエンと答えると「サスペンションが柔らかい」
「乗り味が良い」など、ボヨンボヨンしたイメージが強いメーカーです。
う~む 実際はどーなんだろう???
感覚的なお話しなので正解であり、間違いでもありまするな。
私的に答えるなら「柔い」は、こちらの自動車ですな
おじさまの「雄」リンカーンです
かなり昔の車なのですが、アメ車の代名詞であり
大大陸を確実に走るためにアメリカ人が考えた
足回りとエンジン、世間様で言う「柔い」と言うのはこの
車がピッタリなんです。
運転してると、いつもでもボヨンボヨンと上下に
サスペンションが動いてくれてソファーにでも座ってる
気分にさせて頂けますデス。
恐らく大陸間移動だけなら、この「柔さ」が当時は
ベストだったんでしょうな
酷評的な言い方をすれば「腰が無い」となります
いつまでも落ち着かないのでハンドリングが決まりません。
ただ、真っすぐ走るならハンドリングがぶらぶらでも
問題がないのですな
また、スピードを出して走る文化が無く、時速80㎞~100㎞位で
のんびりとハイウエイを時間をかけて走る文化が根付いており
柔さが一番あっていると言えますナ
さてさて、われらフランス勢の柔さはと言いますと・・・
ハイドロサスペンションを例に出すと話が変わるので
今回はナシでゴザイマス。
フランスも大陸を走ります。
他国への移動は車が主流でアメリカ程ではないにしろ
大移動を想定して作られます。
ただ、メインの走りとしては大都市の道路を意識して
サスペンションを作ります。
では、大都市の道路状況とは何ぞや???
皆さまご存じの「石畳道路」ですな
これ、非常にたちが悪い
約タイヤ半個分の間隔で石が敷き詰められており
延々とゴツゴツした感覚で走り続けます。
ゴツゴツを我慢できたとしてもタイヤの摩擦係数低下
雨天のグリップ力が大変変化したり、最悪は車の装置類が
微振動の連続で壊れたり・外れたり・・・
上記理由から、サスペンションを柔く作り、人や車に
振動による影響を受けにくく作る必要があったわけですナ
ただ、また更に問題が・・・・
国から国への移動は車が多いヨーロッパ
各国は、アウトバーンと呼ばれる「超高速道路」で
繋がっており、時速160㎞以上でかっ飛ばして数時間・
数十時間走り切ります。
せっかく石畳を柔いサスペンションで攻略できたのに
今度は、柔いサスペンションが苦手とする超高速で
走らなくてはなりません。
時速100㎞位なら大して問題ないですが、160㎞~230㎞とか
とんでもないスピードで走るので、ただ柔いサスペションでは
危なくて走れません。
そこで、考えたサスペンションのセッティングが「柔く腰がある」です。
石畳を走れる速度域は、非常に柔くしなやかに動き、120㎞以上の
速度域に達すると、粘っこい(ゆっくり)と動くセッティングに
作りこんでいます。
一般的に乗り心地の判断をされるのが
速度域が低い(石畳の速度)時が乗り心地が良いと勘違いされます。
実は、この速度域はそんなに乗り味が良いわけでなくて、ただ柔いだけ
時速100㎞を超えたあたりの粘っこいサスペンション時の動きが一番乗り心地が
良いのですナ
ガチガチのイメージがあるドイツ勢も、もう少し早いスピードレンジ(140㎞超え)に
なってくると、「おぉ いいねぇ」となります。
まぁ オタク的なお話しになりましたが、「柔らかい」=「乗り味がよい」とはなりませぬ
その車の育った国の道路状況や文化でかなり違うのですが、私の生業にするフランス車は
柔いのではなく、「しなやか」というのが正しい訳です。
なんか、カーグラフィックの一説みたいになっちゃいましたが、せっかくフランス車を
お選びになる機会があるなら、知って頂きたいかな?と思います。
ではでは、よろしくお願い致します