スタッフブログ

天野 恭太郎

≪アーカイブ≫クサラというクルマ

[2019/08/14]

スタッフ:
天野 恭太郎
カテゴリー:
シトロエンについて
皆様、お盆休みいかがお過ごしでしょうか?
天野は高校野球見ながら酔っぱらっています

今回は時間があるので、大昔に書いたブログで評判が良くて
自分でも気に入っていて、既に読めなくなっているものをアーカイブしようと思います。
第1弾は「Xsaraというクルマ」です
2012年12月10日にシトロエン青山のブログに天野が書いたものです
シトロエン青山閉鎖に伴いウェブサイトも閉鎖されていて読めなくなっています

自分としても力作でしたのでここで再度上げさせていただきます

といいましても天野の手元にもハードコピーしかないので
コピペで一丁上がりってなわけにはいきません
一個一個読んで写して打ち込んでいくという
およそ向いていないw作業が続きます、読んでいただければ嬉しいです。

それでは!
シトロエンクサラという名前の車がありました
コードネーム(型式)は初期型がN6、その後フェイスリフトしてN7になります

ちなみにN2はシトロエンZX、N3とN5はプジョー306です

日本ではクサラという読み方で統一されていますが綴りはXsaraで
エグザーラと呼ぶかたもいらっしゃいました
意味はどうもギリシア神話の女神の名前に由来しているというのが通説ですが、当時のシトロエンのネーミングメソッドにのっとってXから始まる造語でなるべくエギソチックな響きのあるものが選ばれたみたいです。

ヨーロッパでのデビュー時の広告にはスーパーモデル クラウディア・シーファーを起用!(気合入ってました)

クサラのデビューは97年、シトロエン初の世界戦略車であり
シトロエン初のオールCADデザイン車であり
シトロエン初の水性ペイント車であり
シトロエン初のイモビライザー装備車であり
おまけに後期型はシトロエン初のマルチプレックスと呼ばれるデジタル信号・光ファイバーで車両内情報をやり取りするビルトインシステムインターフェイス採用車です。
(のちに出てくるC5に比べるとクサラのマルチプレックスはやはり不完全な感じがします、それはマルチプレックスを前提に設計されていないからでしょう、ジェミニ:良心回路が不完全なジローキカイダーみたいなもんですねw)
 ついでに言うと前期型はセルフステアリング・リアアクスル(後輪の車軸をラバーマウントにしてコーナリング時に遠心力で左右のホイールベースを変化させる原始的なパッシブ4WS?)搭載の最後の車になりました。

クルマの話をたまには書こうとと思いたって一番になぜクサラなのか?
それは天野が単に好きだから、です。

でも新しい車や歴史的に意義がある2CVやDSのことはみなさんあちこちで読めますでしょ?
今更クサラについて書こうなんてのは僕ぐらいじゃないかと

個人的なことで言うと97年の9月、天野はクサラデビューのワールドプレミアに参加することが出来た思い出のモデルです

15年前!(注:2012年当時)天野が洋服屋からクルマ屋になった翌年のまだ駆け出しの頃のことです。

初のヨーロッパ出張!Xsara発表会、レンヌの工場視察、フランクフルトショー見学とかなりタイトな日程でしたがものすごく勉強になりました。
(いまレンヌ工場はプジョーを含めた大型の乗用車工場になっていますが、97年当時はシトロエン専用工場でクサラもレンヌで作られていました)

レンヌ工場から帰ってきて駅でTGVの写真を撮っているうちに一緒にいた方々とはぐれ皆様にご迷惑をおかけした。
しょうがないので勝手に地下鉄でホテルにしゃあしゃあと帰ってきましたが。
(あとで当時の営業部長が「あいつは何なんだ!」って社長に怒られたそうですw)



翌年日本でも発売開始、当初は1800ccのSX(ベーシックグレード)とExclusiveの2車種でした、その後ブレーク(ステーションワゴン)とスポーツモデルVTSクーペ(こいつがまた面白い車で、ある意味シトロエン最初で最後のスパルタンモデル!)が追加され、5ドアは1.8が終了した後は1.6と2.0の2グレードに変更、ライトウエイトスポーツのVTRもありました。
当時の日本のシトロエンでは珍しく3つのボディ形状と2つの排気量ラインナップ、計6車種を用意しておりました。

クサラの魅力は何といってもそのデザイン
ミニエグザンティアを標榜しながらも独自の世界があり、その造形はかなりユニークで複雑です。
まず、絵になかなか描けない、見ても描けない
紙に絵で描こうとするとぐにゃんとした何だかわからない物体になってしまう
街中ですれ違っても何だか印象が色々で、やっぱりぐにゃんとした物体が走ってきたように見える。
光の当たり方や見る角度によって車の印象がものすごく変わる

これってある意味ものすごくフランスらしいと思いません?
クルマのアールヌーボ的な
すぱっと分かりやすいデザインを拒絶してあえてわかりにくく作って、どうだ!みたいな感覚

そういう意味では世界戦略車と言いながらフランスらしさ(というかフランスの中華思想的なもの)全開で喧嘩売っている感じがしなくもない。

初期型クサラ真正面から見ると2CVにどことなく似ているのもちょっとした洒落っ気を感じます。

そしてクサラといえばラリー!
キットカー時代からブガルスキーを擁してターマックでは無敵!
WRカーになってからもローブという天才ドライバーによってグラベルでも強さを見せシトロエンをチャンピオンコンストラクターに何度も導きました。
エンジンや足回りはもちろん専用設計だったりかなり手が入っていることは間違いないですが、シャーシは量産工場からシトロエンスポールに送ってそこで切り貼りして作っていたらしいので、基本的な設計がかなり高かったんだと思います。

クサラも中古車市場で個体数が少なくなってきました、2004年モデルが最終なのですでに8年が経過(注:2012年現在)していますので仕方がないことなのかもしれませんが。

リアドアがリアフェンダーアーチを兼ねているぶつけたときにお財布に優しい構造
ルームミラーがドライバーの目線の高さに合わせて上下するダブルボールジョイントミラー
ドアとボディの重なる部分を凹凸に重ね合わせて強度を保ちサイドインパクトバーを取り去った独自の安全思想
シトロエンらしい大柄でたっぷりしたシート(一体発泡としては珠玉の出来だと言われていました)
クサラにはシトロエンらしさやシトロエンらしさになり損ねた装備が満載でした。

心無い雑誌なんかにはシトロエンデザインの迷走期扱いですし
日本のマーケットでは必ずしも成功したモデルとは言えないかもしれませんが、このサイズ感、いい意味で半端なスタイル
これってシトロエンだなあ、と改めて思っています。


ご愛用のお客様、どうか大事にしてください。




いかがでしたでしょうか?クサラ好きになってくれました?

最後の写真は天野が北海道で撮ったスタート前のカルロスサインツです。

ちなみにラリー札幌で優勝を決めたセバスチャンローブ(この時はC4だったけど)が目を入れたダルマは何故か我が家にありますw




このあとエグザンティアについても書いています
また機会があれば掘り起こしたいと思います


それではお店でお会いしましょう。

皆様のご来店を心よりお待ちしております。